久しぶりに、心から「文章を書きたい」という気持ちになる本に出会った。 読み終えたとき、下手でもいい、自分が感じたそのままを言葉にしたいと思った。 著者の島田潤一郎さんは、夏葉社という出版社をひとりで立ち上げた方なのだが、不思議と共通点が多い。同じ1976年に生まれて、島田さんは「谷崎潤一郎」から「潤一郎」となり、僕は「ビクトル・ユーゴー」から「祐剛」になった。中高生のころ、横山光輝の「三国志」とちばあきおの「キャプテン」を読みふけっていたのも同じだし、大学に入ると、島田さんは公認会計士の勉強をし、僕は司法 ...