ニシカワノブログ

気になるレストラン|高齢化社会について思う

2016年5月22日

私たちの浜町公園前行政書士事務所は日本橋浜町にあり、すぐ近くには明治座や浜町公園がある。浜町公園には、中央区立総合スポーツセンターがあり、水泳、卓球、ゴルフ打ち放しなど多くの人で賑わっている。
その浜町公園から、甘酒横丁に向かって数歩歩いたところに1軒のレストランがある。1軒といっても独立した建物でないので1軒というのは適当でないかもしれないが。

レストランの名前は、「カフェ・クローバー」。レストランは、ビルの2階にあり、1階には保育園がある。
カフェ・クローバーは、レストランといっても、開いている時間は、11時から14時までと昼の時間だけで、メニューも日替わりランチとうどん定食、カレーライスなど数種類しかない。

私が、初めて入ったのは、4月中旬のことだった。
そのレストランは、ごく普通のレストランで、特に興味があったわけではなかった。

店内は、壁に墨で書かれた漢詩、申年からか申の墨絵などが貼られていたことには驚いたが、そのほかには何の特徴もないレストランだ。また、そこで食事を作っている調理師さん(正式の資格を持っており、セミリタイアした人)や食事を運んでくるスタッフの方が、ほとんど普通の家庭の人といっても良い人たちだった。

食事も手作りそのもので、味にも特徴があるというわけでもなかった。レストランの利用者はいろいろで、会社勤めのビジネスマンもいたが、目立ったのはグループで、食事を皆で食べ、その後店内で気楽に会話をしているというクラブのような雰囲気があった。

私は、日替わりランチを食べながら、次第に、このレストランに一つの興味を持ちはじめた。何かというと、このレストランに、高齢化社会の中で、高齢者の方が共助のような形で食事提供するシステムに原型があるのでないかと思えたからだ。

ところで、このレストランの経営は、1階の保育園を経営している社会福祉法人だそうで、その法人は、1階の保育園のほか、ほかのところで、障害者施設、特別養護老人ホームなど社会福祉施設を多数経営しているとのことだ。

そういわれてみると、このレストランの雰囲気が自分なりに、何となく納得できた。

なお、「カフェ・クローバー」は、日本橋馬喰町の江戸通りに面して、もう一つあるとのことだ。

いずれにしろ、このレストランのような形態の食事提供施設は、高齢化社会の中で、デイ・サービス(※)などの福祉サービスがある中で、そこまでもいかない程度で、先ず、食事が作るのが困難な人たちに、少しでも、食事が提供できる体制を確保でき、また、その食事を提供する人々も高齢者であるという、共助、協働のシステムに発展できる可能性があると感じた次第である。

注(※):デイ・サービス=高齢者に対する福祉サービスの一つに、要介護者に対してのデイ・サービス(食事提供・入浴サービスなどの通所サービス)があり、市区町村単位で、各地域に整備されている。

(文/西川文明)

 

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