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社会福祉法改正|「公益的な取組」とは何か?!

2016年6月22日

2016年3月31日に衆院本会議で可決、成立した「改正社会福祉法」(2017年4月1日施行)では、福祉サービスの供給体制の整備と充実を図るため、社会福祉法人制度の改革と福祉人材の確保の促進の措置を講ずることが求められています。

「社会福祉法等の一部を改正する法律案」概要
1.社会福祉法人制度の改革
(1)組織経営のガバナンス強化
(2)事業運営の透明性の向上
(3)財務規律の強化
(4)地域における公益的な取組を実施する責務
(5)行政の関与の在り方
2.福祉人材の確保の促進
(1)介護人材確保に向けた取組の拡大
(2)福祉人材センターの機能強化
(3)介護福祉士の国家資格取得方法の見直しによる資質の向上等
(4)社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直し

(出所)「社会福祉法等の一部を改正する法律案」概要, 厚生労働省

このうち、特に目を引くけれど、具体的に何を求められているのか良く分からない項目が「1(4)地域における公益的な取組を実施する責務」です。
この点について、福祉新聞(2016年06月20日)によれば、厚生労働省が「地域における公益的な取組」(改正社会福祉法24条第2項)について説明する課長通知を出しました。

▼引用記事:【社会福祉法人】厚労省が「公益的な取り組み」の具体例示す(2016年06月20日, 福祉新聞)

記事によれば、公益的な取り組みについては、次の3つの要件をすべて満たす必要があるとしています。

①社会福祉を目的とした福祉サービスとして提供される
②サービスの受け手は、心身の状況や家族環境、経済的な理由により支援が必要な人である
③料金を徴収せず実施する事業か、発生する費用を下回る料金を徴収して実施する事業であること

これだけだとイメージがわかないので、通知の中で、「公益的な取組」に該当するかどうかを判断する具体例も記載されていました。

・地域の高齢者や障害者と住民の交流を目的とした祭りやイベント【○:該当する】
・法人の利用者と住民との交流活動【×:該当しない】
・子育て家族に交流の場を提供する活動【○:該当する】
・交流スペースなどを地域住民に貸し出す活動【×:該当しない】
・ゴミ拾いなどの環境美化活動や防犯活動【×:該当しない】

記載された具体例を見る限りでは、事業性を持つことは認められず、公益=慈善活動という枠組みで捉えられている印象があります。この規定について、一部では、公的責任を社会福祉法人に押し付けているのではないか?という意見もあります。

今後、何が「公益的な取組」にあたり、何があたらないのかの判断基準をクリアにすることが求められてきそうです。

 

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