設立後に必要な手続き
法務局での法人設立登記の申請が終わり、特に補正の連絡がなければ、一般社団法人・一般財団法人の設立完了となります。一息つきたいところですが、まだまだ、さまざまな行政機関への届出をしなければなりません。
1 もう一度、法務局に行く
登記が無事に完了しても、法務局から「終わりました」という連絡は来ません。申請のあと、補正の連絡がなければ、無事に登記できたということになります。
登記が完了したら、次の3つをもらうため、もう一度、法務局に行くことになります。
② 「登記簿謄本」をもらう(1通600円)
③ 法人代表印の「印鑑証明書」をもらう(1通450円)
「印鑑カード」を作成するため、設立した法人の代表印と、法務局に行く人の実印と本人確認ができる書類(運転免許証)が必要です。
「登記簿謄本」と「印鑑証明書」は、このあとの手続きで必要になります。設立した法人に必要な手続きの種類によって変わりますが、登記簿謄本は3〜4通、印鑑証明書は1〜2通もらっておきましょう。
2 法人の口座を作りたい銀行に行く
設立した法人の口座を作る銀行を決めましょう。どこの銀行でも構わないのですが、何かその銀行にした”理由”があると良いと思います。「法人の事務所から一番近い」、「設立時の主な取引先にとって便利」、「代表者の個人口座と同じ銀行にした」など、理由はなんでも構いません。設立時から、1つひとつの意思決定に”理由”を考える習慣を持つことが、団体の活動や事業の持続的な成功にとって大切な要素となるからです。
法人の口座を開設する手続きは、銀行によって若干ちがうのですが、法人の代表印、登記簿謄本、印鑑証明書、窓口に行く人の本人確認の書類(運転免許証など)が必要となりますので、用意しておきましょう。
3 税務署に行く
非営利型の一般社団法人・一般財団法人で、収益事業は一切やらないという場合は、税務署への届出は必要ありません。なんらかの収益事業を行う場合は、法人設立から2ヶ月以内に「法人設立届け出書」を出すか、または、収益事業を開始してから2ヶ月以内に「収益事業開始届出書」を出すことが必要となります。
収益事業を行う予定の法人が、このタイミングで税務署に出す書類は、一般的には次の4種類になります。
② 「青色申告の承認申請書」を出す
③ 「給与支払事務所等の開設届出書 」を出す
④ 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を出す
※ 減価償却や棚卸資産について特に定めたい場合には、別途、届出が必要になりますので、ご確認ください。
手続きには、定款のコピー、登記簿謄本、貸借対照表などが必要となりますので、用意しておきましょう。
4 都税事務所に行く(東京都の場合)
東京都に本店を置く法人を設立した場合、設立から15日以内に、都税事務所に「法人設立届出書」を出すことが必要です。
ここでも手続きには、定款のコピー、登記簿謄本、貸借対照表などが必要となりますので、用意しておきましょう。
5 その他
設立した法人で従業員を雇う場合には、社会保険、労災保険、雇用保険などに加入する手続きが必要となります。これらの手続きについては、別途、まとめたいと思います。
このように、法人の設立が終わったあとも、やらなければいけない手続きはたくさんありますので、こまめに確認しながら、団体の活動をスタートさせましょう。