永住申請の相談者
「永住許可が取れる可能性は何%ですか?」
永住申請の相談に来る外国人から、よく聞かれる質問です。しかし、行政書士が許可になる可能性を「%」で答えることは困難です。
私たちにできることは、依頼者へのヒアリングと集めた資料から状況を把握して、以下の3つのどれにあたるかを判断することです。
① ほぼ100%(永住許可の条件をすべてクリアしている)
② 申請してみないと分からない(審査官の裁量による部分がある)
③ ほぼ0%(永住許可の条件を明らかにクリアしていない)
②にあたる人が、申請する前に許可になる確率を知りたいことは、よく理解できます。
この記事では、上記の②③にあたる人に気を付けて欲しい、不許可の理由としてよくあるベスト3をお伝えします。
不許可理由(1)
年収の基準をクリアしていない
永住許可のためには、申請人の生活が安定していることが必要です。具体的には、単身者の場合、年収300万円以上が目安です。
申請する外国人の状況によって基準が異なりますので、典型的なパターンについて表にまとめました。
申請する外国人の状況 | 年収基準の目安 |
来日10年、かつ、就労5年 | 直近5年間の年収が毎年300万円以上(単身者) ※ 扶養家族がいる場合は、人数により年収基準が上がります。 |
高度人材ポイント70点以上 | 直近3年間の年収が毎年300万円以上 かつ、高度人材ポイントの加算に必要な年収額 |
高度人材ポイント80点以上 | 直近1年間の年収が300万円以上 かつ、高度人材ポイントの加算に必要な年収額 |
日本人または永住者の配偶者 | ① 申請人の収入で生活している場合 ⇒ 申請人の直近3年間の年収が300万円+α(扶養人数による)以上 ② 配偶者の収入で生活している場合 ⇒ 配偶者の直近3年間の年収が300万円+α(扶養人数による)以上 |
不許可理由(2)
税金・年金・健康保険などの未納や滞納
永住許可のためには、日本の国益に貢献することが求められます。この条件は様々な視点から見られますが、特に注意が必要なのは以下の3つが遅れずに支払われていることです。
① 税金
② 国民年金
③ 国民健康保険
審査対象期間は基本的には直近2年間ですが、高度人材ポイント80点以上の場合は直近1年間に短縮されます。
不許可理由(3)
海外に滞在していた期間が長い
来日して10年で永住申請をする場合、その10年は継続していることが必要です。
たとえば、以下のような事情がある場合、継続していたとはみなされない可能性があります。
① 途中で在留資格を失っていた期間がある
② 途中で海外に滞在していた期間が長い