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新しい在留資格「特定技能」についての考察

2018年11月3日

2018年11月2日、入管法(正式名称は「出入国管理及び難民認定法」)の改正案が閣議決定されました。これにより、来年4月に、単純労働を含む外国人労働者の受け入れを拡大する新しい在留資格「特定技能」が創設されます。日本はこれまで単純労働の外国人を受け入れないという方針を取ってきたので、大きな転換といえます。

新しい在留資格「特定技能」とは?

「特定技能」は、1号と2号の2段階を設けることを想定しています(下表参照)。

新しい在留資格「特定技能」

条件 在留期間 家族の帯同
特定技能1号 相当程度の知識または経験を要する技能 通算5年 ×
特定技能2号 熟練した技能 更新可能

「特定技能1号」は、相当程度の経験を要する技能を持つ外国人に与えられる在留資格で、最長5年の技能実習を修了するか、技能と日本語能力の試験に合格すれば取得することができます。在留期間は通算5年までで、家族の帯同は認められません。

「特定技能2号」は、熟練した技能を持つ外国人に与えられる在留資格で、1号よりも高度な試験に合格することが求められます。1~3年ごとの更新が可能で、家族の帯同も認められます。2号は、更新時の審査を通れば長期の就労も可能となるため、永住権の取得要件を満たす道が開けます。

「特定技能」で外国人を受入れる分野

「特定技能」の在留資格で受け入れる分野は、女性や高齢者など日本人労働者を確保する努力をしても人手不足を解消することができない分野に限定されます。具体的には、次の14業種が想定されています。

特定技能1号で対象としている14業種

介護
ビルクリーニング
素形材産業
産業機械製造
電気・電子機器関連産業
建設
造船・船用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造
外食

「特定技能」の創設についての考察

新しい在留資格「特定技能」の創設のポイントのひとつは、1号では在留期間を通算5年までと定めていること、つまり、永住は認めないということです。そのため、永住権の取得も視野に入れることができる2号の「熟練した技能」をどのように評価するいくかが、日本の移民政策や外国人の活用による経済活性化を考える上で重要となりそうです。

 

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