王 さん(仮名)
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母国の大学で日本語を勉強し、大学生のときに交換留学で来日。
日本で就職し、現在は日中間のインバウンドに関する広告関係の仕事に従事している。
取材・記事作成:山下柚実
(作家/五感生活研究所代表)
途中で諦めたら終わり。
とにかく頑張ってやれることは全部やり切る。
そんな意気込みが大事です!
現在、日本で広告関係の仕事をしている王さん。
スラスラと日本語をお話されるだけあって日本語には自信があり、
これまでの申請もすべて自分でやってきたそうです。
しかし、永住権申請をしたところ、追加書類を求められ挫折。
複数の行政書士にも相談をしましたが、なかなか前に進めませんでした。
藤井行政書士にたどりつくことで、やっと解決方法を見つけることができ、
今では永住権を手に入れた王さんの体験を参考にしてみてください。
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日本に来た理由は?
王
もともと日本のポップカルチャーが好きで
浜崎あゆみの音楽を聞いたり、
村上春樹の小説を日本語で読んだりしました。
母国の大学で日本語を勉強し、
今から10年程前に交換留学生として来日しました。
その後は日本の大学を卒業し、日本の会社に就職しました。
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正社員として採用されたのですか。
王
はい、これまでに何度か転職していますが、
すべて正社員として採用されました。
少しずつやりたい仕事に近づいて
年収もステップアップしてきたつもりです。
今は、日本の製品を中国人観光客にアピールするなど、
デジタル広告関係の仕事です。
自分の頑張り次第で結果が出せて、やり甲斐もあります。
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永住権の申請については、いつごろから考え始めたのですか?
王
日本へ来た時から、日本でずっと暮らしたいと思い始め、
いつかは永住権の申請をすることになると想定していました。
なので、必要書類についても調べました。
日本での滞在年数、年収に基準があること、
税金や年金をきちんと支払わなければならないことなど
いろいろなルールがあることも知っていました。
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永住権の申請は専門家に頼んだのですか?
王
日本へ来てから10年が過ぎたとき、自分で申請しました。
これまでの就労ビザ更新も自分でやってできたし、
永住権を取るためのルールも守ってきたし、年収も基準以上でした。
日本語の問題もなかったので、
自分でできるという自信があったんです。
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そこで、必要な書類を整えて自ら提出したわけですね。
王
はい、2019年末に申請しました。
それから半年間は何の連絡もなくて、ただひたすら待ちました。
ある日突然、「追加書類が必要」という通知がきたのです。
しかし、その書類を手に入れることは非常に難しそうでした。
提出できない場合は、
理由を説明する書類を提出するしか道がないのですが、
それも自分では難しい、と感じました。
もう永住権を取ることは無理かなと諦めかけながら、
とりあえず一度は行政書士のような専門家に相談してみよう、
と思ったのです。
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行政書士についてはネット検索で探したのですか?
王
そうです。4~5カ所の事務所を検索して、次々に電話をして、
どんな返答が来るのかを比較してみようと思いました。
立派なホームページのある大手事務所にも電話しました。
でも、上から目線でお説教されるような口調だったり、
冷たい反応が多かったですね。
私の場合は自分で一度申請した後からの相談でしたので、
「途中からでは相談に乗ることができない」とか
「あなたが提出した書類を全部見なくては判断できない」
という返答でした。
提出した書類を全部コピーしておけばよかったのですが、
していなかったので困りました。私も甘かったんです。
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専門家に無理と言われても、よく諦めなかったですね。
最終的にCALICO LEGAL行政書士事務所に頼むことになったのはなぜですか。
王
藤井さんの事務所に電話をすると、
他とはぜんぜん違う反応でした。
まず私の話をきちんと聞いてくれて、
「難しい案件だけれど何とか方法がないか、一緒に考えてみましょう」
と言ってくれました。
親身に相談に乗ってくれる感じが嬉しかったです。
事務所の規模は小さいけれど、取り組む真剣さが違うので、
藤井さんの事務所に決めました。
自分だけで判断してはダメ。
可能性を探し出すには専門家に相談を。
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振り返って、一番大きな問題は何だったでしょうか。
王
追加提出を求められた書類の中には、
今から入手することが難しいものもありました。
そういうものについては、藤井さんと相談しながら、
事情を説明する理由書を作りました。
もう一つ、面談していてわかったことがありました。
自分では気づいていませんでしたが、
「高度人材外国人」の条件を満たしていたんです。
高度人材外国人の永住申請
学歴、職歴、年収などの項目ごとにポイントを設け、
ポイントの合計が一定点数に達した場合に、
出入国在留管理上の優遇措置が与えられる。
永住申請については、70点以上の場合は日本滞在3年、
80点以上の場合は日本滞在1年で申請が可能になる。
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「高度人材外国人」と聞くと、大企業に勤めているとか
難関の有名大学を出ているとか、ハードルが高そうです。
王
ええ、だから「私とは関係ない」と思い込んでいたのです。
でも、実はもっといろいろ細かい条件が設定されていて、
そこに当てはまるかどうかを藤井さんと共に確認していったら、
私のポイント合計が80点以上になることが判明しました。
「高度人材外国人」の優遇措置を使って永住申請ができることがわかったんです。
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それは大発見でしたね!
王
途中で諦めなくて本当によかった。
追加書類の中に「高度人材外国人」に関する資料を入れ、
さらに、今の会社の社長に推薦状を書いて頂いたり、
来年の収入見込額証明書をもらったりして、提出しました。
数ヶ月して永住権の許可が下り、
今は「やったー!」という達成感でいっぱいです。
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日本にいる外国人の方々に、どんなアドバイスがありますか。
王
「自分は日本語が上手い」と自信がある人は注意してください。
自分で申請できると思っても、
なかなか通らないケースがあります。
追加書類を求められた時も、途中で諦めたら終わりです。
なんとかできる方法がないか、考えることです。
少しでも申請が通りやすくなるための条件を、
一つずつ積み重ねていくことです。
また、経験の豊かな藤井さんのような
行政書士に相談することは大切ですよ。
申請を何度もやってきた経験が大事になるからです。
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申請した経験があるのとないのとでは大きな違いがあるのですね。
王
そうです、入管が何をもって申請OKとするのかは、
素人では判断できません。
手続きもわかりにくいし、諦めたらそこで終わりです。
例えば申請後に入管からハガキで連絡が来るのですが、
その時に海外に出張中、旅行中などで不在なら、
ハガキに気付きませんよね。
そのハガキには、何日までに追加書類を提出、
という締め切りが書かれていて、
それもだいたい2週間程度と短い期間になっています。
それを出さなければ、失格です。
メールの連絡なら海外にいてもチェックできるけれど、
ハガキで連絡が来るので、その点を気をつけてください。
また、わからない点があっても、問い合わせ窓口の電話は話し中で
なかなかつながらないので、注意です。
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気をつけなければならないことがたくさんありまますね。
王
それから家族のいる人も、
やはり専門家に相談すべきだと思います。
家族がいる人は私のような一人暮らしより手続きが複雑になります。
いつ、誰の分をどの順番で申請すべきかとか、
いろいろ条件がありますので、
自分一人で判断するのではなく、
ぜひ専門家に相談することをオススメします。
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永住申請の許可が下りて、最も変化したことは何でしょうか?
王
とにかく精神的に楽になりました。
就労ビザの時はできる仕事に制限があるなど
我慢しなくはならないことも多かったのですが、
永住権の許可が出てからは自由に転職もできるし
フリーターになってもいいし起業もできる。
生活の選択肢がぐんと増えました。
また、日本人と同じ金利でお金を借りることもできるので、
いずれマンションを買いたいと思っています。
ビジネスのスキルを磨いて、まずは年収3000万円を目指します!