李 昕若 さん
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中国・南京出身。清華大学美術学部ディスプレイデザイン学科を主席で卒業、北京市優秀卒業生となり22歳で来日。日本語学校を経て、2016年に多摩美術大学大学院美術研究家デザイン専攻卒業。現在は、商業施設などの空間デザインを制作する企業に勤務。
取材・記事作成:山下柚実
(作家/五感生活研究所代表)
行政書士を選ぶ一番のポイントは、
何でも相談できるということ。
親身になって話を聞いてくれる専門家に依頼することが、
成功への近道です!
日本滞在5年半、就労して3年で永住権を取得できたという李さん。
なぜ、日本滞在年数が短いのに許可が下りたのかといえば、
「高度専門職ポイント制度」を活用したからです。
この制度の優遇措置を使えば、一定の点数に達すると、
日本滞在1年または3年で永住申請ができます。
ぜひ李さんの体験を通して、「高度人材外国人」という制度があることを
多くの外国人の方に知ってほしいと思います。
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李さんは大学生の時、「留学してデザインを学びたい」と考えたそうですが、
欧米でなく日本を選んだのはなぜでしょう?
李
最初は英国へ行きたくて英語を勉強していたのですが、
テレビで嵐を見て、大好きになってしまいました。
どうしても「日本へ行って嵐にあいたい」と思って、
最初は日本語の歌詞を紙に書くことから勉強をスタートしました。
ただ、今では嵐ではなく関ジャニのファンなんですけれどね(笑)。
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大好きな嵐のファンから乗り換えたのですか?
李
関ジャニってトークがとっても面白くてステージも楽しいので、
すごくストレス解消になります(笑)。
日本で何度もライブを見に行きました。
私のように「ジャニーズのファンだから日本へ来た」
という外国人は多いですし、
一緒にライブを行く仲間もたくさんいます。
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日本へ来て「永住権を取りたい」と考え始めたのはいつ頃ですか?
李
最初はとりあえず「2020年のオリンピックまで日本にいたい」と思っていました。
永住権の申請については、あまり真剣に考えていなかったのですが、
来日して5年半、就職してから3年くらい経った時に、
「自分は高度人材外国人に該当するかもしれない、
そうだとすれば永住権を取れるのではないか」と思い、
条件を調べ始めました。
28歳の時、「高度人材外国人」のスコアを計算してみたら「70点」でした。
今後、年齢が上がっていくと年収の金額基準も上がっていくため、
申請するなら早めの方が良いと判断しました。
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最初は行政書士に頼らず、自分で申請しようと思ったのですか?
李
はい。手続き自体は自分でできると思いました。
でも、会社で働いているので書類を集める時間がないのです。
そのために有給休暇を使うのはもったいないと思いました。
プロに頼めば書類を集める時間が節約できると思い、
webで検索していくつかの行政書士事務所に連絡を入れました。
ところが、「申請しても許可を取るのは難しいだろう」
「保証はできない」と言われてしまったんです。
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何が問題になったのでしょうか?
李
おそらく年収の金額がギリギリだったんだと思います。
残業代を含めたら何とかクリアできるはずでしたが、
住民税の課税証明書や源泉徴収票は1月から12月で計算するため、
4月入社の私は初年度の年収が基準額以下でした。
行政書士にお話ししても考慮してくれず、
「あなたの依頼は受けることができません」と断られました。
どうしても諦めることができなくて、
webで検索して藤井さんの事務所のサイトを知りました。
「自分は無理」と思っている人も、
まず相談してみるといいと思います
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CALICO LEGAL行政書士事務所の第一印象は?
李
ホームページにある藤井さんの写真の表情が
柔らかくて優しそうだったし、
事務所の名前も三毛猫とあって
とにかく話しやすそうだったので連絡しました。
すごく丁寧に話を聞いてくれて、
「何か方法がないか考えてみましょう」と言ってくれたんです。
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実際に申請を出すまで、打ちあわせを何回くらいしましたか?
李
3回くらいですね。
打ち合わせの中で、藤井さんから
「過去の年収は、残業代も入れて計算できます。
給与明細も添付して説明資料を作りましょう」
という提案がありました。
結局、その書類を揃えて出すことで
申請がうまくいったのだと思います。
だから、「自分は無理」と思っている人も
まず相談してみるといいと思いますよ。
何か可能性が見えてくるかもしれません。
今は無理だとしでも課題かがわかるので、
いずれ申請できる場合もあります。
とにかく準備は早めがいいと思います。
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行政書士を選ぶ一番のポイントとは何でしょう?
李
いろいろと率直に相談できる、
という点が一番大切だと思います。
それに、藤井さんの事務所は他と比べて
手数料も安かったので助かりました。
ただ、藤井さんは優しいだけではなく、
厳しい面もありますよ。
私が書類をなかなか集めないでダラダラしていた時、
背中を押してくださいました。
「この日までに必ず書類を揃えてください」
と厳しく指示してくれて、良い緊張感でしたね(笑)。
きっと親身になってアドバイスしてくれているからだと思います。
書類などの指示も、とてもわかりやすかったです。
必要な項目をまとめてくださったので、
私がやるべきことがはっきりしました。
永住権を得てからは自由が広がり、
マンションを購入するという夢もかないました!
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最初、日本へ行きたいと伝えた時に、家族は反対しませんでしたか?
李
私が日本文化を好きなことは、母も知っていましたし
日本なら距離も近くて学費も安かったので、
「あなたが行きたければいいよ」と許してくれました。
以前、母と一緒に日本を旅行した時の印象がよかった、
ということもあると思います。
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今、故郷を離れてさみしいという想いは?
李
あまりないですね。
日本で出会った中国人の友達の多くは帰国したので
さみしいといえばさみしいけれど、
日本の生活に慣れているし、一人だと自由ですし。
時々中国に帰るのですが、
むしろあまりにもスピードが速くて、
ついていくのが大変です。
中国は今、競争がすごく激しくなっていて、
少しでも人より多く働かないと負けてしまう。
だからみんな遅くまで残業していますよ。
それに比べると日本での生活は平和です。
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仕事は充実していますか?
李
店舗などの空間デザインの仕事が主ですが、
コロナの影響でリモートワークになり、仕事量は減っています。
今後はさらにクリエイティブな
デザイン関係の仕事ができたらいいな、と思っています。
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2020年7月に永住権の許可を取れたということですが、
その前と後で一番変化したことは何ですか?
李
年収の制限がなくなったので、
仕事をしてもしなくてもいい、
フリーターになってもいい。
すごく自由になりました。
実は、家を買ったんですよ。
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日本のマンションを購入したのですか?
李
そうなんです。永住申請許可を得ると
日本人と同じ金利でローンが組めるようになりました。
以前は外国人向けのローンしか組めず、
金利がとても高くて無理でした。
私が購入したのは中古マンションですが、
まさに「私のお城」そのもの。
今、インテリアを自作しています。
ホームセンターで素材を買ってきて、
自分で板を切ったり足を付けたり塗装したりするのがすごく楽しい。
ちょっと疲れますけれど(笑)。
ビンテージ風の超オシャレな部屋を目指して頑張っています。
▼ 李昕若さんのインタビュー動画
李さんの手作りインテリア