ビザ申請のトリセツ

永住許可申請に必要な年数

2019年9月5日

永住許可についてお問い合わせをいただく中で多いのが、

私は日本に来て「〇年」になります。永住許可申請をできますか?

という質問です。

永住権を希望する外国人の方の中には「日本に10年いれば永住者になれる」とお考えの方もおりますが、詳しく話を聞いてみると、申請できそうに見えるけれど実はできないケースや、逆に、条件を満たしていないように見えるけれど実は申請できるケースもあります。

この記事では、永住許可申請は何年でできるのか?について説明します。

 

原 則

個別のケースごとに見る前に、まずは法務省がどのように定めているかを確認しましょう。
「永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定)」では、次のように記載されています。

1 法律上の要件  -(3)その者の永住が日本の利益に合すると認められること - ア

原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

(出所)永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定), 法務省

まず、原則として、次の2つが条件となることがわかります。

① 日本に継続して「10年」以上在留していること
就労資格・居住資格で継続して「5年」以上在留していること

 

例 外

ガイドラインでも「原則」と書かれているように、このルールには例外があります。

2 原則10年在留に関する特例

  1. 日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること
  2. 「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること
  3. 難民の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること
  4. 外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること
  5. (省略)
  6. 出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。)に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
    ア  「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
    イ  3年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。
  7. 高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの
    ア  「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。
    イ  1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。

(出所)永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定), 法務省

これらの例外のうち主なものをまとめると、次のようになります。

ケース 永住許可申請に必要な年数
日本人・永住者の配偶者 実態を伴う結婚「3年」以上、かつ、日本に継続して「1年」以上在留
定住者 日本に継続して「5年」以上在留
難民認定を受けた者 日本に継続して「5年」以上在留
日本への貢献があると認められる者 日本に継続して「5年」以上在留
高度専門職ポイント70点以上の者 日本に継続して「3年」以上在留
高度専門職ポイント80点以上の者 日本に継続して「1年」以上在留

※ ここでいう「引き続き」や「継続して」とは、1年のうちの大半を日本で過ごし、生活の拠点が日本にあった時間が連続していることを意味しています。海外転勤や病気療養などで、1年のうち1/3以上を海外で過ごしていた期間などがあると「継続して」とは言えませんので、ご注意ください。

上の表をご覧いただくと分かるように、高度専門職ポイントを持ってる方は必要年数がかなり優遇されます。この要件は、現在持っているビザが「高度専門職」ではなくても該当することがあります。関心のある方は、こちらの記事をご参照ください。

行政書士がわかりやすく解説!高度人材外国人の永住申請

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このように、永住許可申請に必要な年数はケースによって変わり、いろいろなパターンがあります。日本に来てから10年経ってなく、すぐには永住許可申請は出来ないと思っていた方が、実は高度専門職のポイントを満たしていたということもあります。

「いつ永住許可申請するのがいいのだろう?」とお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

 

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