新型コロナウィルスの感染が拡大する中、日本に滞在中の外国人や、外国人を雇用する企業などから、ビザ申請に関する問い合わせが増えています。
この記事では、新型コロナウィルスに関する出入国在留管理庁の取り組みについて、最新情報をまとめます。(※2022年3月1日現在/随時更新)
コロナウィルスの影響による在留申請の取り扱いは依然として流動的です。
この記事では、入管の公表事項と当事務所で把握した情報から、できる限り正確な記述を心掛けていますが、具体的な事案の判断については、個別にお問い合わせをいただくか、ご自身で入管に確認しながら進めてください。
▼ 外国人の新規入国制限の最新情報は、こちらの記事を見てください。
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【最新情報】新型コロナウイルスの影響:外国人が日本に入国できるか?
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最新情報のまとめ
コロナの影響で帰国できない人は、在留期間を「90日」延長できる[根拠]在留資格認定証明書の有効期間を「6ヶ月」に延長[根拠]
ビザの更新・変更などは、在留期間満了日の3ヶ月後まで申請可能[根拠]
永住許可申請は外出自粛要請が解除された後の申請を推奨[根拠]
在留資格認定証明書の交付は見合わせている[根拠]
ビザの変更・更新の許可による在留カードの受け取り期限は「3ヶ月」延長[根拠]
短期滞在ビザの在留期限が迫っている方
「短期滞在」ビザで在留中の方は、在留期間更新許可申請をすることで「90日」延長することができます。
自動的に延長されるわけではありませんので、最寄りの出入国在留管理局に行き、在留期間更新許可申請を行うことが必要です。
在留期間の更新申請は、申請する本人が入管に行くのが原則です。
なお、短期滞在ビザでの在留期間は1年間に180日までとされていますが、新型コロナウィルスの影響で帰国できなくなった場合の延長は、特段の事情として、この基準を超えて認められます。
提出書類
〇 在留期間更新許可申請書[書式PDF]
〇 帰国困難であることを証明する資料
(例:帰国用の飛行機のチケット/帰国できないことが分かる新聞記事 etc.)
〇 親族関係が分かる資料
(例:出生公証書のコピー etc.)
〇 日本滞在中の生活費を払えることを証明する資料
(例:親族の収入が分かる資料 etc.)
※ 申請時にパスポートの提示が必要です。
※ 申請書に顔写真は不要です。
※ 上記のほか、入管から資料を求められることもあります。
2020年10月頃まで、親族関係が分かる資料と日本滞在中の生活費を払えることを証明する資料は提出しなくても申請できました。しかし、11月頃から、短期滞在の更新に関する審査が正常化したことに伴い、それらの資料も求められるようになりました。ご自身で申請される場合は、ご注意ください。
現在、特例措置により、在留期限を過ぎても3ヶ月後まで申請することができます。しかし、在留期限を過ぎると不安定な状態となりますので、なるべく在留期限を過ぎる前に更新申請を行うことをおすすめします。
よくある質問|短期滞在ビザで来日中に、帰国できなくなった場合
ビザの更新期限が迫っている方
2020年3月から7月までに在留期限が切れる外国人の方は、満了日の3ヶ月後まで、更新や変更の申請をすることができました。
しかし、現在はこの取り扱いは行われていません。在留期間の満了日までに手続きをする必要がありますので、ご注意ください。
コロナの影響で帰国できない方
新型コロナウィルスの影響で帰国できない方は、期限後「90日」の延長が許可されます。
自動的に期間が延長されるわけではありません。具体的な手続きは、現在持っているビザ(在留資格)によって変わりますので、ご注意ください。
帰国困難者に対する取り扱い
現在の在留資格 | 申請手続 | 申請後の在留資格 |
短期滞在 | 更新 | 短期滞在(90日) |
技能実習 | 変更 | 特定活動(6ヶ月 / 就労可) |
留学 | 変更 | 特定活動(6か月 / 週28時間以内のアルバイト可) |
その他 | 変更 | 特定活動(6か月 / 就労不可) |
(出所)「帰国困難者に対する在留諸申請及び在留資格認定証明書交付申請の取扱いについて」, 出入国在留管理庁
出国中に再入国期限が過ぎてしまった方
新型コロナの影響で日本への上陸制限措置が取られた当初、入管当局は、再入国許可による出国中に再入国許可期限が過ぎても帰国できない場合には、永住者であっても在留資格を失うとアナウンスしていました。しかし、その後、ルールが緩和され、適切な手続きを取れば在留資格を失うことはありませんのでご安心ください。
在留資格 | 必要な手続き |
永住者 | 滞在先の国・地域が入国制限を解除された日の6か月後までに、在外公館で査証申請を行うことで、上陸特別許可により「永住者」の許可が出ます。 |
定住者 | 滞在先の国・地域が入国制限を解除された日の6か月後まで、原則として、申請書、在留カードの写し、本人の申立書のみで査証申請ができます。 |
その他(就労ビザ、留学、技能実習など) | 在留資格認定証明書交付申請を行うことになりますが、「申請書」と受入機関作成の「理由書」のみで申請することができます。 |
(出所)「本邦に入国を予定している方に係る取扱い 」, 出入国在留管理庁, 令和2年9月18日更新
よくある質問|日本から出国中に、在留期限が過ぎてしまった場合(参考)新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に伴う在留資格認定証明書の取扱い等について[PDF], 出入国在留管理庁, 令和2年4月23日
在留資格認定証明書の取り扱い
「在留資格認定証明書」を取得している場合
原則
在留資格認定証明書の有効期間は通常は3ヶ月間です。
例外(新型コロナの影響による特別な措置)
2019年10月1日から2021年1月29日までに作成された在留資格認定証明書は、次のいずれか早い日まで有効です。
① 入国制限措置が解除された日から「6ヶ月」
② 2021年4月30日
入国制限が解除された国・地域の一覧はこちら ⇒ 入国制限措置解除日に係る国・地域一覧表
(出所)「本邦に入国を予定している方に係る取扱い 」, 出入国在留管理庁, 令和2年9月18日更新
在留資格認定証明書を申請中の場合
外国人を受け入れる機関(採用する企業など)が、新型コロナウィルスの影響であることを説明する「理由書」を提出すれば、活動開始時期を変更することが可能です。
※ 交付から3ヶ月以上経過した「在留資格認定証明書」を使用する場合は、在外公館で査証(ビザ)の発給申請をするとき、受入れ機関(企業など)が発行する理由書を提出する必要があります。
※ 理由書には、「引き続き、在留資格認定証明書交付申請時の活動内容どおりの受入れが可能である」ことを記載してください。
(出所)「帰国困難者に対する在留諸申請及び在留資格認定証明書交付申請の取扱いについて」, 出入国在留管理庁
永住申請にご不安がある方
こちらの記事に考察をまとめましたので、お読みください。
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新型コロナウィルスの感染拡大が永住申請に及ぼす影響
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よくある質問|日本から出国中に、在留カードの有効期限が迫っている場合
このように、現在海外にいて在留カードの有効期限が迫っている方が、永住者の在留資格を維持するためには、本人が日本に来て更新するしか方法がありません。
コロナウィルスの感染拡大の状況が長引いていった場合、永住者についての特例措置が検討される可能性はあります。入管が発表する最新情報の入手に努めてください。
上陸拒否の対象地域(2020/5/16)
2020年5月16日現在、以下のいずれかに該当する外国人は、特段の事情がない限り、日本に上陸することができません。
(出所)「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について」, 出入国在留管理庁, 令和2年5月14日
○ 上陸の申請日前14日以内に以下の地域における滞在歴がある外国人
○ 中華人民共和国湖北省又は浙江省において発行された同国旅券を所持する外国人
○ 香港発船舶ウエステルダムに乗船していた外国人
日本から「再入国許可」により出国した場合でも、上陸拒否の対象地域からの上陸はできません。
「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の在留資格を持つ外国人が、上陸拒否の対象地域に行き、その後、再入国許可の期限内に日本に戻って来れなくなった場合、在留資格に影響を与える可能性があります。上陸拒否の対象地域への渡航はお控えください。
新型コロナウィルスの感染による特例措置は、今回が初めてのケースです。ご不安がある方は、管轄の出入国在留管理局や専門家などに問合せて、正確な情報を入手してください。
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