ビザ申請のトリセツ

外国人を雇用するときに社会保険で注意すべきこと

2019年4月10日

外国人を雇用する事業者の方から「外国人スタッフは社会保険に入れなくて大丈夫ですか?」という問い合わせや、日本でパートタイムで働く外国人の方から「母国の社会保険に入っているので、日本の社会保険には入らなくて良いですか?」というご質問をいただくことがあります。

しかし、外国人を雇用する場合、原則として外国人も日本人と同じ基準で社会保険(健康保険・厚生年金)の加入対象となります。

以下、特に問題になりがちな、外国人をパートタイムで雇用するときに社会保険で注意すべきことをまとめます。

 

外国人を非常勤スタッフ・アルバイト等で雇用する場合

外国人を非常勤スタッフ・アルバイトなどのパートタイムで雇用する場合は、次の2つの基準をともに満たすときは社会保険の加入対象となります。

加入対象の判断基準

1週間の所定労働時間が一般社員の4分の3以上
および
1か月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上

また、一般社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3未満であっても、下記の5つの要件を全て満たす方は加入対象になります。

1)週の所定労働時間が20時間以上あること
2)雇用期間が1年以上見込まれること
3)賃金の月額が8.8万円以上であること
4)学生でないこと
5)常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

なお、社会保険の加入対象とならない場合には、外国人自身が国民健康保険と国民年金に加入することが必要です。

 

外国人を非常勤役員として雇用する場合

外国人を非常勤役員として雇用する場合も、非常勤スタッフ・アルバイト等の場合と同じ基準で社会保険の加入対象となります。
また、労働時間・労働日数が一般社員の4分の3未満であっても、取締役会に出席するなど、会社の意思決定に関与している場合には労働時間・労働日数に関わらず加入対象となります。

外国人を「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で、非常勤の専門職として雇用しようとしている場合には、ご注意ください。

 

社会保障制度の二重負担を防止する制度

非常勤で働く外国人の中には母国の社会保障制度に加入している方もおり、さらに日本の社会保険に加入すると、保険料を二重に負担しなければならないことになります。また、年金を受け取るためには一定期間の加入が必要なため、保険料の掛け捨てになってしまうことがあります。このような事態を緩和するため、二国間で「社会保障協定」を結んでいる国があります。

社会保障協定の目的

① 二重加入の防止
保険料の二重負担を防止するために、二国間で加入すべき社会保障制度を調整する

② 年金加入期間の通算
保険料の掛け捨てとならないために、日本の年金加入期間を協定国の年金制度に加入していた期間とみなす

2018年8月時点で、社会保障協定を結んでいる国は21ヶ国で、うち18ヶ国で発効しています。

協定が発行済の国 署名済未発効の国
ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン イタリア、スロバキア、中国

(注)イギリス、韓国、イタリア及び中国については、「保険料の二重負担防止」のみです。

社会保障協定を結んでいる国の外国人には、この制度を説明するのが良いと思います。日本で働く方が多い中国は、署名済ですのでまもなく発効しますが、2019年4月10日現在、まだ効力が発生していませんのでご注意ください。

 

就労ビザの更新への影響

外国人が日本で働く場合、就労することができる在留資格(就労ビザ)を取得することが必要です。就労ビザには、1年、3年、5年と3パターンの在留期限があり、期限が切れる前に入国管理局に対して更新の許可申請をしなければなりません。

入国管理局が公表している「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」には、次のように記載されています。

社会保険への加入の促進を図るため、平成22(2010)年4月1日から申請時に窓口において保険証の提示を求めています

(注)保険証を提示できないことで在留資格の変更又は在留期間の更新を不許可とすることはありません。

(出所)「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン(改正)」, 平成28年3月改正

ここでは、保険証を提示できないことで変更・更新を不許可とすることはありませんと書かれています。しかし、今後、社会保険に未加入であったり、保険料を未納・滞納したことのある外国人について、就労ビザの審査が厳しくなることが予想されます。

外国人を雇用する事業者の方は、雇用する際に、外国人本人に社会保険に関するルールをきちんと伝えることが大切です。

 

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